誰かに贈り物をする時、その時々の気持ちを込めて贈ります。
「おめでとう!」
「いつもありがとう」
「よろしくお願いします」
「元気になってね」
少し遠くに住む祖母が体調を崩してしまい、なかなか気軽に会えない距離だったけれどとても心配だったので、家族でお見舞いに行くことに。
お見舞いの際には、何か祖母のために元気になれるものを渡そうと考えました。
趣味でアクセサリーを作っているわたしは、祖母にもアクセサリーをつけてキラキラとした気持ちになって欲しい、ずっとつけているわけにはいかないだろうけれど、それを見てわたしや家族のことをほんの少しでも思い出してもらえたら、そう思い、手作りの指輪を贈ることにしました。
作ったのは、白を基調にした優しい色合いのビーズの指輪。
祖母のことを想い、素材を選んでおまじないをかけるように、たくさんの気持ちを込めて。
「どうか、喜んでもらえますように」久しぶりに会った祖母は記憶よりも随分と儚い印象になっていました。
ゆっくり、少しずつ、話をして帰る間際に指輪を手渡し。
やわらかい祖母の指にも苦しくないようサイズを変えて、ゆったり合わせられるようにして。
祖母の指にはまった指輪は本当に綺麗で。
祖母は、何度も、何度もキラキラ光る指輪を見ては、何度も、何度もありがとう、嬉しいよ、と手を撫でていました。
そんな祖母の姿を見た時の胸に広がるじんわりと温かい気持ちは、今でも鮮明に思い出せます。
贈った側なのに、わたしの方が祖母の優しい気持ちを贈ってもらったような気がしました。
あの時、わたしのたくさん込めた気持ちも、祖母に届いていたでしょうか。
気持ちを込めて、贈るもの。
そんな贈り物ができることがとても幸せなことだと感じています。
terashima
カスタマー担当。 贈り物をするときは、相手を考える時間が大切なのだ、と思いながら、考え過ぎて迷子になります。 迷子になった末、選んだ物を喜んでもらえた時の嬉しさはひとしおです。