つくり手ノート

二人だから生み出せる。少女のころのときめきと季節の喜びにあふれたキャンドル/cozy cozy*

キャンドルに閉じ込められた、色とりどりの植物たち。ふわりと舞うその姿は、まるで景色をそのまま切り取ったかのよう。
cozy cozy*の大原さんと清家(せいけ)さんに、幼なじみであるお二人が活動を始めたきっかけ、そしてキャンドルの魅力についてお話を伺いました。

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■もともと好きだった明かりと草花を組み合わせて

「欲しいものがなければつくってしまおう」と思うくらい、もともと手を動かすのが好きだったというお二人
cozy cozy*としてキャンドルをつくり始めたのは、大原さんの結婚式がきっかけだったそうです。

「自分の結婚式でキャンドルサービスに使ったろうそくがあって。
明かりはもともと好きだったので、それを自分の手で形を変えて、好きなものにしたいという思いがありました。

そのときは本当に何の知識もなく、家にあるものでろうそくを溶かして、別の形になったときにすごく面白いと感じたんです。それでより深く勉強をしたいと思ったのがきっかけです。

草花や植物が好きだったこともあり、明かりと植物をうまく組み合わせられないか、というのが今の活動につながっています」

 

活動を始めて今年で12年。ずっと二人三脚でキャンドルをつくり続けています。
デザインは大原さん、清家さんそれぞれが試作を持ち寄り、話し合いながらひとつの作品にしていくことが多いそうです。

「付き合いが長いので感覚が似ているというか、違和感がなく。わたしの好きなものは彼女(清家さん)も好きだろうな、という信頼感があります」

火を扱うキャンドルでは、見た目だけでなく安全面も大切です。
最後まで安心して灯せるよう、ろうの配合や使用する芯の種類など、試作を繰り返して作品が出来上がります。

 

二人が活動を始めたころは、キャンドルについて教えてもらえる場所もまだ少なく、それぞれ学校で基本を学んだ後オリジナリティを探っていったそうです。

「最初はお菓子の形をしたものとか、本当にいろいろな形をつくっていたんです。でも、年々草花との組み合わせという方向に強くいっている感じがします」

cozy cozy*さんの商品をより特別に演出しているのが、丁寧に心を込めて包まれたのが伝わってくるラッピング。

「好きなお花屋さんなどの、素敵だなと思うラッピングや色合わせを参考にしています。

包装やお届けの仕方って本当に大事だと思っていて。
私たち自身も、開けた時にうれしくなるものをお届けしたいという気持ちがあって、それに共感してくださる方が買ってくださってるのかな、というのはすごく感じます」

キャンドルも日常の風景からアイディアを得ることが多いそうで、普段からさまざまなことにアンテナを張り、作品に還元していることがわかります。

 

■季節や記憶をキャンドルに閉じ込めて

年を経るにつれ、植物への思いや見方も変化してきたと話す大原さんと清家さん。
二人が共通して持っているのが、「風景を切り取って落とし込みたい」という思いです。

「植物の好きなところは、やっぱり季節を感じられるところが一番ですね。
あとは年齢を重ねて、若いころより植物を見て思い出す光景や出来事が増えたのも理由かもしれません」(大原さん)

「シロツメクサはこんな風にお花がついていたんだとか、ビオラの花びらもこんなきれいに模様がついているんだとか、じっくり見るようになりました」(清家さん)

キャンドルをつくるワークショップも行なっているcozy cozy*さん。一度体験すると、繰り返し参加される方も多いそうです。

「実際に触れてつくっていただく楽しみは格別です。

お花を乾かして蝋を注ぐと、色が一瞬生花のように鮮やかに蘇るんです。それをワークショップでは楽しんでいただきたいです。

ワークショップでは、なるべくたくさんの季節のお花を出してみなさんに選んでいただくのですが、同じ素材を使っても仕上がりが全然違う。

『このお花にこういう思い出があるのよね』とおっしゃる方や、『このお花、母が好きだったの』って言ってつくられる方もいて、今日このお花を持ってきてよかったと思います」(大原さん)

思い入れのある草花をキャンドルに閉じ込めて作品にすることで、その体験もまた新たな思い出になる。そんなうれしい循環が生まれているのを感じます。

 

■やわらかな明かりが与えてくれる、日々の余白

キャンドルの魅力について尋ねると、忙しい日々の中で忘れがちな「余白」を持つ大切さを話してくれました。

「灯した瞬間が大好きなんです。
ふわっと光る炎自体もあたたかいのですが、その様子がいつも心にしみる感じがします。

光ることによって影ができるので、光がないと見えないものもあるんだな、ということに気付かされたり。
それが植物と組み合わさることによってまた違った見え方をしたり。

灯すことで変化していく姿も、ずっと見てしまいます」(大原さん)

「キャンドルづくりを始めたころはまだ子育てが大変な時期で、お家でキャンドルをじっくり灯す時間も、心の余裕もありませんでした。

でも、電気を消して、キャンドルを灯してベランダで話していたときに、テレビもゲームもなにもない状態で子供がすごく話をしてくれて。

そういう時間ってきっと必要だと思うんです。それがキャンドルの魅力なんだと思って、今までつくってきています」(清家さん)

「お客さまにもキャンドルの姿だけでなく、ちょっと特別な時間というか、灯しているその時間を楽しんでいただけたら、という気持ちでいつもお届けしています。

特にボタニカルキャンドルは、灯すとじっくり見入ってしまうようなお花の細かいところまで映し出してくれるので」

ちなみにボタニカルキャンドルをオーダーする際は、植物がぎっしり入っているものと余白があるもの、お好みで選んでいただくのが一番だそう。

「私は灯したところを考えるので、そうするとやっぱり余白が欲しくなってしまうんです。

でも、好きなお花をたくさん詰め込むのも、色がたくさん入っていて飾っておくには素敵ですよね」

 

■思い出を長くそばに

今後は明かりを灯すところまで楽しめるイベントや、空間の装飾もやってみたい、と大原さん。

また、大原さんと清家さんお二人に共通する思いもあります。

「結婚式や卒業式などで記念にもらったお花をそのまま乾かして、お客さまの思い出があるものをキャンドルに仕立てるということもしてみたいと思っています。

ワークショップでは、ご自身で育てたお花や、贈りものの大切なお花を乾かして持ってきていただいてもいいんですよとお伝えしていますが、持ち込んだ方はまだいらっしゃいません。

いずれは乾かすところからご自身で手をかけて、形を変えて長く楽しめるものにしていただけたらうれしいです」(清家さん)

 

■小さいころに感じたわくわくが、今もずっと続いている

「よく覚えているのが、小学生のときに清家さんの家でお菓子を一緒につくっていたときのことです。
ふたりで本を見ながらいろいろつくって、オーブンを開けたときのわくわく感。

今の活動も、お互いに別々にキャンドルをつくることもありますが、あのときの感覚がそのまま続いているのかなと思います。

そこが原点と言ったら大げさですが、そこから今までつながっているのかなっていうのはすごく感じます」

「一つひとつに好きなものを込めてつくっているので、お客さまがそれをまた好きだと言ってくださる、喜んでくださることが幸せですね」

終始お二人の仲の良さ、お互いを信頼しきっている様子が伝わってきた今回のインタビュー。
現在新たなアトリエを準備中だそうで、今後生まれるつながりやわくわくに思いをはせずにはいられません。


〈cozy cozy*〉
季節の花々をドライフラワーにして仕立てたキャンドルやミニブーケ、キャンドルキットなど、毎日の暮らしを彩るキャンドルを制作する『cozy cozy*』。
幼なじみの2人がつくりだすキャンドルには、日々のときめきや心動かされた瞬間の、気持ちの高まりも閉じ込められています。

cozy cozy*:https://cozy-candle.shopinfo.jp/  


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